ハンドアウトのススメ?


 また悪いくせで、長々と書いてしまったので、まとめることにするのだ。


 ・ハンドアウトは「書かれている内容は確実に保証し、フォローもする」というGMの誓約書。
 ・ハンドアウトを使わないセッションの場合、かみ合わない可能性があることを覚悟すること。
 ・基本的に自分で出した設定は自分で拾う。拾われなかったのなら、自分の責任。


 以上、前回のまとめでしたのだ。
 これを踏まえて、今回のお話。
 ハンドアウトの効果についてなのだ。
 ハンドアウトには、主に2つの効果があるのだ。






 〜会話のハードルを下げる〜


 口頭での打ち合わせを主張する人はいるが、全員が全員話がうまいわけではない。
 口下手な人も内気な人もいる。
 ある本に書かれていたが、率先して話すというのはエネルギーのいるものらしい。
 実際、心当たりのある方もいるのではないだろうか?
 ハンドアウトを提示することで、それをきっかけに参加者同士が会話し始める。
 「これがハンドアウトね、誰が何番をするのか決めて」
 「どうしようか?」
 「どうする?」
 「3がいいかなぁ」
……などと気軽に会話ができる。
 なぜなら、ゲームに関係する話……つまり、「してもいい話」だからだ。
 基本的にコンベンションなどで進行が淡々となりがちなのは、何を喋っていいかの共通認識ができていないからである。
 そうした環境でハンドアウトが積極的に使われるのは、当然のことだ。




〜全員にキャラを認識させる〜


 勘のいい人はここまででピンときただろう。
 ハンドアウトは打ち合わせの発展形だ。
 しかも、口頭では個別の、たとえば他のPCの情報も全員が確認できる。
 そう、ハンドアウトは、自己紹介の一部も兼ねているのだ。
 そのシナリオでの立ち位置。
 どんなNPCと関係があるのか。
 クラスが指定されているなら、ゲーム内での役割も、ある程度まで掴める。
 いちいちキャラシー覗きこんで「どんなキャラなの?」と尋ねなくてもよいのだ。
 基本的な情報は把握しているのだから、あとはそのPLのオリジナル部分さえ説明すればいい。
 時間の制約がキツいコンベンションなどで、ハンドアウトが多用されるのも納得してもらえるだろう。






 以上の2つの理由により、ハンドアウトの効果は大きいことが分かってもらえると思う。

 ハンドアウトとはすなわち……


 GMからのシナリオ傾向提示
+PC傾向の誘導
+PC全員の基本部分の紹介


……となる。
 PC作成の打ち合わせ、パーティーバランスの構築や自己紹介の簡潔化。
 セッション前の準備段階のほとんどが、B5用紙1枚程度で済んでしまう。
 それがハンドアウトと呼ばれる、システム化されたTRPGテクニックの効果なのだ。




 どうだろう?
 ハンドアウトに嫌な思い出や印象を受けているかもしれないが、一度使ってみては?