ハンドアウトはGMの誓約書


 最近、MIXI内のTRPGコミュにて、ハンドアウトについての議論が盛んだ。
 ワシとしては、ハンドアウトは内容もルールとしても、絶対ではないと考えてる。
 だから使いたくなければ、使わないでいいと思うのだ。
 けっきょく、ハンドアウトはGMが「こういう傾向の話をしたいです」という、意思表示のツールでしかないのだし。
 使わないでも楽しめるんなら、それでいいんじゃない?
 現に、ワシのサークルでもハンドアウトは極力使わずに、PCの設定を生かしたシナリオを展開するマスタリングが主流のようだし。
 まぁ、現場には立ち会ってないから、確認はしてない。


 正直な話、わりとストーリー展開を作っちゃうワシとしては、やりにくいスタイルだ。
 やれないことはないが、アドリブや予定変更が苦手なので、矛盾が出たり、整合性がつかなくなることが多い。
 だから、と言うわけではないが、ハンドアウト等のツールを使わずにセッションに入る場合、かみ合わない可能性は充分にあることを前提にTRPGしてくれ、と言いたい。
 ようするに失敗するかもしれない、ということだ。
 その可能性は充分にあることは理解してほしい、ということだ。


 ワシがハンドアウトなしにGMする場合、NPCの立場や性格などを伝えるだけにとどめ、どういった関係を結ぶかは、PLにお任せする。
 PCにつけたい設定に関しても、よほどシナリオに影響しなければ(根本的に崩壊しないかぎりは)認める。
 これはPC同士の関係や設定についても同じ。
 ただし、あくまでもその演出などはPLたち自身が責任をもってすることが条件だ。


 GMの場合、設定や関係を拾うといっても、それがPLの希望に沿うかはわからない。
 だから、どうしても控え目になる。
 たとえ好みがわかっていても、「今回も同じでいいのか?」などと、いろいろ考えてしまう。
 しかし、ここで相手に直接聞くというのは、あまりに野暮で場の雰囲気を壊しかねない。
 自分のPCの設定や関係をどういう風に使われたいのか?
 それらは、PLからGMにできるだけ自然に伝えていただきたい。
 それはPLの責任だと、ワシは思ってる。
 自分で言い出したことは、自分で収拾をつけてもらうのは当然のこと。
 拾ってもらえなかった、自分の希望と違った、などとGMに言うのは(おおよそ)お門違いである。
 GMにはGMの都合や、実力もあるのだし。


 ワシがGMの時は、主にそうした考えだ。
 この主張に納得してもらえないなら、こちらが出したハンドアウトに素直に従ってもらう。
 そのかわり、少なくとも、ハンドアウトで提示したことに関しては、コッチが完全にフォローするし、責任をとる。
 それがワシのGMスタイル。




 『こういうことをします。ここに書かれていることに関しては完全に責任を持ち、全力でフォローするので安心してください。対処できそうなら、変更も可です』
 ハンドアウトは、そうした意味の、GMの意思表示であり、誓約書なのである。


 強制されるから嫌だとか、前もって決められてるのに違和感があるとか。
 そうした理由でハンドアウトを使わないのなら、それはGMの保証の外だ。
 あとは参加者全員が全力を尽くして、セッション内ですり合わせるしかない。
 失敗して不愉快な思いをしたくないのなら。


 ハンドアウトはGMではなく、PLを楽にするツールだ。
 なにせ本来なら、参加者全員の責任である“ゲームを破綻させない”の大部分をGMが背負うシステムなのだから。
 それを自分たちの希望のために使わないのなら、その分の責任はきっちりと果たしてもらわねば。




 セッションの話を聞く限り、ワシんとこのサークルは分かっててやってるみたいなので、安心はしているけど(笑)
 もとよりハンドアウト以前のシステム経験が多いメンバーも多数いるので、今回の話は言うまでもなかったかな?(笑)