ビーストバインドNTについて

前回の予告通り、今回は《ビーストバインド・ニュー・テスタメント(BBNT)》の魅力と欠点を語ろう。
欠点も書くのは、公正さをはかる意味もある。
前回であれだけD&D3rdの問題点に言及しておいて、BBNTは褒めっぱなしでは、ひいきに見えるからだ。
前回と今回の文章は、ワシ個人の私見でありながら分析である。分析である以上、マナーは守る。


では、まずBBNTの魅力から。
最大の魅力は、身近ながら幅広い世界観と、可能性の高いシステムだろう。
旧BBから続く“エゴと絆によって作られていく世界”、そして肥大化したエゴによる異世界ドミニオン”などの設定は、荒唐無稽ながらもある種のリアルさを感じさせる。
そして、そんな世界と同じように、様々な要素を取り込んで闇鍋状態にも関わらず、すっきりと機能するシステム。
特にキャラ作成は、データ知識と役割さえ分かってれば30分〜1時間で可能だ。
ルールを最大限に活用すれば、現代物を中心にあらゆるシチュエーションを再現・構築できる。
実際に上手くかみ合ったセッションでは、例えようもない満足感が得られる。


次に欠点だ。
旧BBから世界観が続いているため、前作を知らないとイマイチ分かりにくい設定・キャラが存在する。
システムもデータが妙にややこしく、説明するのが大変だし、慣れないとキャラもロクに作れない事になりかねない。
また、アーツと呼ばれる特殊技能のコストが総じて高いため、PCがNPC化する危険性が高いのも問題だ。
キャラの成長も意外と早く限界が見えてしまうのもマイナス要因だろう。


以上のように欠点も多いゲームだが、BBNTにはこのゲームにしかない独自の魅力がある。
システムの問題点も、サンプルキャラを使うなどして何回か遊べば、コツをつかんで解決できるはずだ。
さらにGMにとっては嬉しい事に、シナリオが作りやすいのも大きなポイントだ。




もともと前作が好きだったワシはBBNTを遊んでみて、欠点の多さに落胆した。
だが、コツをつかんでからはシナリオがどんどん浮かび、止まらない状態が今でも続いている。
今では現代物を中心とした、いろんなシチュエーションを再現できるシステムとして、愛用している。
正直、簡単でもないし、クセのあるゲームだが、堪えられない魅力を持つのも事実である。
少しでも興味があるのなら、ぜひ1回遊んでみていたたぎたい。