シーン制システムのあそびかた

ワシが所属しているTRPGサークルのある人は、シーン制が嫌い、とワシに言った事がある。
その理由を尋ねると、「他の人のシーンで待たなければいけない」からだと言う。
しかし、それは“PL=PC”の視点で捉えているから起きる、誤解である。
実際に、シーン制システムが機能するためには、“PL=GM”の視点が重要になるのだ。


たとえばシーン制システムでは【オープニング】→【リサーチ】→【クライマックス】→【エンディング】の4つに分かれている。
その中でも【オープニング】では、原則GMから指定されたPC以外はシーンに登場できない。
では、他のPLは出番までボーっと待っているしかないのか?
答えは、NOだ。
今、展開されているそのシーンを見る、という行動ができる。
これは、そのシーンに登場しているPCやNPC、イベントを理解することで、それらへの対応(自分のPCがどう接するか)を素早くできる、効果がある。
この効果は絶大である。
特にコンベンションなどで、不特定多数とシーン制システムを遊ぶ時には、必要不可欠と言ってもいい。
PL同士が顔見知りでも、事前のキャラ説明とシーン観察は必ずしておくべきだ。
なにせ、時間には限りがあるのだ。
もちろん人間の対応力にも。
合流してから、どう対応しようか考えるなど時間のムダである。
そんな事をしていたら、あっという間に“次回へ続く”だ。
それがどんなにツマラナイコトかは言うまでもないだろう。


とにかく、全てのシーンを欠かさず見て、それがどんなシーンなのかを(自分なりに)理解する。
それにより「シナリオの全体像が分かり」、「事件の解決に必要なものを突き止め」、「自然な流れで物語を造る事ができる」。
そう、これはGMの視点である。
シーン制システムのように、参加者全員でドラマチックな物語を構築しようとするシステムでは、GM視点(または読者や視聴者の視点)にたって考える必要がある。
そうしないと「自分の事だけ語る、嫌なPL・GM」になるか「対応に詰まって進行しないセッション」になってしまう。


昔からTRPGをしているゲーマーの人は、PL=PCの視点に慣れてしまっているかも知れない。
だが、シーン制システムを遊ぶ際には、PL=GM視点にもなっていただきたい。
それがシーン制システムで推奨されている(であろう)遊び方だからである。