/masa晴読雨読16


【今回のお題】
 伊東岳彦『覇王体系リューナイト




【あらすじ】
 亡き師の遺言に従い、意思あるロボット“リュー”と共に、武者修行の旅を続ける騎士見習いアデュー。
 旅先での出会いと試練を通じ、未熟だったアデューは立派な騎士へと成長していく。
 やがて師を殺した世界の敵“邪竜族”の目的を知ったアデューは、世界の存亡をかけた戦いに挑むことになる。




【レビュー】
 絵は良く言えば勢いがあり、悪く言えば荒いです。
 話は騎士の成長物語であり、王道ど真ん中。
 これだけならありきたりなファンタジーですが、そこにロボットの要素を加えることで、程よいアクセントになっています。
 また、ストーリーが分かりやすいので、頭を使うことなくテンポ良く読め、作品の勢いや熱血要素を十二分に楽しむことができます。
 これも、作者の細やかな心配りのおかげといえるでしょう。
 意図的に情報量を抑えるのは、プロでも簡単にできることではないでしょうから。
 ゲームに近い世界観のわりに生活感や血なまぐさい面があるため、イメージ的にはドラクエやFFではなく、ウィザードリィが一番近いといえます。
 そうしたリアリティーがでているのは、作者がTRPGユーザーでもあることが関係しているのかもしれませんね。