/masa晴読雨読15
【今回のお題】
柳田真阪樹著『D&Dリプレイ 若獅子の戦賦』シリーズ
【あらすじ】
父の凶行により地に落ちた家名を復興するべく、騎士を目指す戦士(実は女の子の)リューマ。
リューマは従者ガンボルト、竜族の姫ノトス、長き時を生きる密偵スリンガーと共に、父の凶行に関する謎を追いかけていく。
【レビュー】
冗談や妄言を交えつつ進行していく様子は、実際のプレイ風景に近く、今まで読んできた中では一番の理想形だと思います。
謎が謎を呼びながらも全体像が明らかになっていく構造は、読み物としても楽しく、合間合間に挟まれる小説風のト書きが物語を盛り上げてくれます。
戦闘も丁寧に編集・描写されていて、戦術や特技の使い方は大変参考になるでしょう。
膨大なデータ量を誇るシステムゆえに専門用語も多いのですが、見開き左に注釈が設けられているのですぐに参照できて便利なことこの上なし。
また、ロール(役割演技)がとてもいい。
風呂に入る、訓練をするなどの日常的なイベントに反応していくうちに、PCの性格が確立または表現されていくところは、NPC操るGMとの連携もあって、お見事と言わざるを得ません。
正統派の騎士道物語と、個性の強いPLとGMとのやりとり、システムをフルに生かしたプレイングが見所の、D&D3rdリプレイ。
D&Dファンにはもちろん、TRPG初心者への教材としてもうってつけのシリーズといえましょう。