《レレレ》リプレイ 『グラフィティ〜黄昏色のポートレート』第18幕


【ヌレーネ】:「ありがとうございます……。あの……片付け終わったので、これで失礼しますっ!」
 真っ赤になった顔を伏せて、早口でそう言ったら、駆け足で部室から出ていくわ。

【ピカット】:一人になった部室で、未だに立ち尽くしている。告白など受けたのは、ピカットはこれが初めてだからな。

【GM/監督】:流れ的にいって、部室の面々が覗いてそうだよね。ヌレーネの気持ちに薄々気付いちゃっててさ。

【ヌレーネ】:別に構わないけど、バレないようにしてくれると助かるわ。人に見られたってヌレーネが知ったら、また萎縮しちゃうもの。

【GM/監督】:ま、覗くか覗かないかは、後で決めよう。

【ヌレーネ】:OK、あたしはこれで終わりよ。

【ピカット】:俺か。しかし、かなりショックがでかいな。

【GM/監督】:ヌレーネの告白がかい?

【ピカット】:ああ。戦場を体験して、並大抵のことでは驚かなくなったはずなんだが……。こいつは別格だった。ピカットにとっては、まるで予想の外なのだよ。

【GM/監督】:写真のことで精一杯って感じだろうからね。

【ピカット】:学校の帰り道も、そんな感じでまとまらない思考をまとめようと必死だ。

【GM/監督】:なるほどね。

【ピカット】:ーーだから気付かなかったのさ。後ろから迫り来る気配にな。

【リチャード】:ずいぶんとキナ臭い描写だな。

【ピカット】:賞に参加する者は多い。この街からだって、何人も参加している。そんな数多の参加者の中でも性根の悪い者は、ピカットが“事故で怪我をし、写真を取れなくなる”ってのを望んでるんじゃないか?

【リチャード】:なるほど。

【GM/監督】:後ろから迫って来てるのは、まさしくそんなやつらなんだね。

【ピカット】:ああ。ライバルは一人でも少ないほうがいい。つまりは、そういうことさ。

【GM/監督】:なるほど、分かった。後ろから忍び寄った男数名が、棒切れかなにかできみに襲いかかる。

【ピカット】:「え!?」

【GM/監督】:振り向いたきみは打ち下ろされる一撃を受け、路地裏の床に倒れ込んだ。その隙を狙って、一人がきみを抑え込み、残りのやつらが両腕を中心に殴り続けた。それがしばらく続き……。