《レレレ》リプレイ 『グラフィティ〜黄昏色のポートレート』第17幕


【ヌレーネ】:そして、部活は終わり、みんなは早めに帰っていく。夕日で赤く染まる部室には、あたしと先輩の2人が片付けで残るだけになった。

【GM/監督】:いい情景だね。外から微かに聞こえる学生たちの声をBGMに、これからシーンが展開されるわけだ。

【ヌレーネ】:「もう、危ないことはしないでくださいね。先輩がいなくなって、生きた心地がしなかったんですから」

【ピカット】:「うん、ごめん。どうしても自分の殻を破りたくてさ……。でも、行ってよかったと思う」

【ヌレーネ】:「莉先輩って、素敵な方なんですよね?」

【ピカット】:「素晴らしい人だよ。僕も早くあの人に近付きたい。その思いはずっと胸にある」

【ヌレーネ】:「好き、なんですか?」

【ピカット】:「え? あ、うん。好きだよ」

【ヌレーネ】:「あたしも先輩のこと、好きです」

【ピカット】:「僕もだよ。きみはいい後輩だし、この部活のマネージャーも務めて、僕を支えてくれ……」

【ヌレーネ】:「違うんです! そういのじゃなくて、あたしは先輩自身が好きっ……! ずっと、ずっと後輩としてじゃなくて、恋人として傍にいたいって願っていました!」

【ピカット】:「え? えっと……」
 突然のことに戸惑って、思考がまとまらないな。

【ヌレーネ】:「先輩は、先輩の気持ちはどうですか? こんな女は、迷惑ですか?」
 窓から見える夕日をバックに、真剣な眼差しで見つめるわよ。

【ピカット】:「…………」
 答えられずに、ただ立ち尽くす。

【ヌレーネ】:「今、答えを出さなくてもいいです。突然のことでしょうから……。実は……あたしも出るんです、賞に」

【ピカット】:「そ、そうなんだ」

【ヌレーネ】:「それで、先輩にお願いがあるんです」

【ピカット】:「なんだい? 僕にもできることかい?」

【ヌレーネ】:「もし、賞であたしの作品があの人ーー莉先輩ーーよりも得点が高ければ……今日の答えを、聞かせてほしいんです」

【ピカット】:「きみを……好きかどうかを?」

【ヌレーネ】:こくり、と頷く。

【ピカット】:「……分かった。約束するよ」