《レレレ》リプレイ 『グラフィティ〜黄昏色のポートレート』第12幕


【GM/監督】:避難所内には、いつものように目を背けたくなるような光景が広がっている。外からはいつにも増して、銃声や爆発音が響いてきた。どうやら、戦闘がますます激しさを増しているようだ。このままでは、ここもいつ巻き込まれるか分からない。

【飛鈴】:一通り撮り終えたら、外へ。身を隠しながら、戦闘区域まで行って、シャッターを切り続ける。

【GM/監督】:戦闘区域といっても、ほんの数十歩で着く。避難所の辺りでも戦闘が行われているからだ。もうこの戦乱に、戦闘員も民間人もない。あるのは、敵か味方かだけなのだ。

【ピカット】:その後を追おう。
「先輩、ここは危ないですよ! 早く逃げましょう!」

【飛鈴】:それには答えずに、撮影に没頭する。

【ピカット】:「先輩……」

【GM/兵士】:「カメラマン、あの小僧のいう通りだ。さっさと逃げな。避難所の連中が逃げるくらいの時間は、俺たちが稼いでやるから」

【飛鈴】:「そうね。避難所の人たち“は”避難させないとね」

【GM/兵士】:「は、プロ意識つーか、お前さんも頑固だねえ」

【飛鈴】:「敗色濃いのに、戦うあなたたちもね」

【GM/兵士】:「……敵わねえな、あんたにゃ。いいさ、気のすむまでついてきな」

【ピカット】:「ここが戦場……、先輩が生きてきた世界……。これが……」
 震えながら、そう呟く。いままでとの、あまりのギャップにたじろく俺。

【GM/監督】:そんなきみの横を、突撃する兵士や逃げ惑う市民が通り過ぎていく。

【ピカット】:そこで俺は、ある声に気づく。女の子の……避難所にいた、母親を探して泣いていた女の子の……声だ。

【ポルッカ/女の子】:「ママ……ママどこぉ……」

【ピカット】:そこに、逃げ延びてきたその子の母親が現れる。すぐにお互いの存在に気付く親子。親子は、我も忘れて駆け寄っていく。

【GM/監督】:そこに銃弾、または砲撃が。

【ピカット】:(頷く)「危ない!」
 体が勝手に動いていた。保身とかそんなことは、考えもしてない。ただ、女の子を、親子を助けたい、その一心だった。