レレレ『free hole』第11幕


 時は戻る。
 5人が集まった、その時まで。
 この現象を外から眺めるものがいたなら、もう5回目となる光景だ。
 永遠とも無限ともいえる、この時間のループ。
 だが、その終わりは確実に近付いていた。



【一同】:5回目か……。

【GM】:まあ、きみたちには、もう何回めかさえ分からないだろうけどね。

【シンディア】:もうパニックになって、過呼吸起こしてる。ひゅー……ひゅー……。

アリシア】:「シンディー? シンディー、しっかりして!」

【ガングァン】:「どいてくれ。こういう場合は、こうするのだ」
 そう言って、ビニールを被せるぞ。

【シンディア】:ビチィとくっついて、今度は呼吸困難に(笑)

【ガングァン】:「おやおや?」(笑)

【シンディア】:「ぶはあっ! なにすんのよ、あんた! 殺す気!?」

【ガングァン】:(肩を竦めて)「すまんすまん。過呼吸かと思ったら、呼吸困難のほうだったな。こりゃ失敬」

【シンディア】:「これだから、男ってやつは……ブツブツ……」

【ガングァン】:HAHAHA。
「おや、そういえばロイだったか。彼を見かけないな」

フェイロン】:今のうちに調べよう。
(コロコロ)



 全員で調べ始めるが、意気込みとは裏腹に調査は一歩も進まなかった。

【ガングァン】:「落ち着かない人たちだな、まったく」

アリシア】:「は、早く飛びたくてワクワクしてるの。何度飛んでも、こんな感じよ?」

【ガングァン】:「そうなのか」

【GM】:そこにロイが来るよ。



 いつもと違い、ロイのほうからやってきた。
 ゆっくりと開けられたドアが不満げに軋み、不気味な音を投げつける。
 いや、不気味なのは、音だけではなかった。
「どうしたんだい、みんな? 準備はできたよ。早く来なよ」
 いつもは荒々しい口調のロイが、その時だけは妙に丁寧で、声にも生気がない。
 暑い陽気だというのに、うすら寒い汗が背中を伝う。
 それは堪らなく不快だった。



【一同】:(悲鳴)

【菊善光(コウ)】:こ、怖すぎる……。

【GM】:調べものは済んでるよね? では、空へ飛ぼうか……。

【菊善光(コウ)】:これで全滅(全員がパラシュート技能に失敗)したら……。