レレレ『free hole』第10幕
【ガングァン】:(肩を竦めて)「そういうなら、遠慮なく飛ばせてもらうか」
むん、と。
【シンディア「ごめんね、シンディー。また後でね?」
私も飛びます。
【GM】:さて……飛んだ人は4度目の判定をどうぞ。
判定の結果、フェイロンが失敗。
【GM】:セスナに残ったシンディアなんだけど……。
【シンディア】:……やっぱり?
【GM】:うん。
【シンディア】:なら、最後にロイに言うわ。
「早く降りてくれない? 一秒でも空にいたくない気分なのよ……」
【GM】:返事はないよ?
【シンディア】:「……ちょっと、悪ふざけはやめなさいよ、ロイ。ロイ? ロイったら!!」(一同爆笑)
【菊善光(コウ)】:フラグ立てすぎやん(笑)
【GM】:演出通りというか予想通りというか。返事はかえってこずに、セスナのバランスが急に崩れるよ。それにあわせて、ロイの体がガクンと。
【シンディア】:「ロイ……!?」
【フェイロン】:あ(なにか思い付いたらしい)。GM、死亡シーンなんだけど(ボソボソ)
【GM】:ふんふん、なるほど。バッチリOK!
念入りなチェックのおかげか、今回も無事にパラシュートは開いた。
ほっと胸を撫で下ろすフェイロン。
そんな彼の安堵をせせら笑うように、彼の耳に嫌な音が聞こえ始めた。
セスナだ。
自分たちの乗ってきたセスナが蛇行を繰り返しながら、フェイロンたちに迫ってきている。
アリシア、ガングァン、コウの3人は彼より早く気付き、咄嗟にかわすことができた。
だが、フェイロンは間に合わなかった。
あの安堵の一瞬が、彼自身の死を確定させてしまったのだ。
プロペラに巻き込まれ、細切れの肉片となって散布されるフェイロン。
彼の耳に、恋人の悲痛な叫びが届いたかどうかは定かではない。
一方、セスナを間一髪でかわしたアリシアは、それを目撃した。
死んでいるかのように、グッタリと横倒しになったロイと。
必死の形相で握りしめているシンディアの姿を。
彼女のむちゃくちゃな操縦をかわすことはできず、やがて着地した3人めがけて……。