レレレ『free hole』第5幕


【GM】:ところが。



 ロビーにかけられていた時計の針が、逆に周り始めた。
 そして気付くと、5人とロイはまだロビーにいる。
 いや、また、というべきか。
 何もかもが同じというわけではない。
 なぜなら、シンディアやフェイロンの全身には、潰れた時の生々しい感覚が残っていたから。



【シンディア】:なるほど、時間ループものってわけね。

フェイロン】:こう、画面に映った時計の針が逆回転するみたいな……(一同爆笑)

【GM】:そうそう(笑)

【シンディア】:記憶はどうなるの? 死ぬ前のまま?

【菊善光(コウ)】:ループものなら、残ってるんやないの?

【GM】:そうだね、残ってる。



 シンディアはショックのあまり、座っていた椅子から転げ落ち、立ち上がることができない。
 彼女の様子に、何か思い当たったフェイロンが、自分の腕を見てみると……。



フェイロン】:そこには、パラシュートが絡みついた痕が……。

【一同】:(悲鳴)

アリシア】:シンディアの様子にびっくりして、助け起こします。
「どうしたのシンディー、急に倒れたりして?」

【シンディア】:「え……!? あたしは……死んで……??」

アリシア】:「もう、何言ってるの?」

【ガングァン】:前と同じように俺が入ってくる。
「格安で飛ばせてくれるというのは、ここか?」

【GM/ロイ】:「おうよ、たった10ドルポッキリだ。まあ、いつでもってわけじゃないがな」

【ガングァン】:「なるほど、たしかに格安だな」

【GM/ロイ】:「よし、そろそろ出発するぜ。さっさと準備して乗りな」

【菊善光(コウ)】:ほんとに繰り返してる(笑)

【GM】:巻き戻ってるのを実感してるのは、死んだ2人だけなんだけどね。

【シンディア】:記憶がはっきりしないから、何も調べない。

【ガングァン】:俺はまた遅れて、最後に乗り込む。



 どこか曖昧で、どこか生々しい。
 そんな記憶と感覚に悩む2人を含む5人は、再び5000m上空へと昇った。
 不安に思ったフェイロンは、パラシュートを念入りに調べる。



フェイロン】:(コロコロ)成功。



 ……何も異常はなかった。



フェイロン】:うーむ。
「悪い夢だったのか?」

【菊善光(コウ)】:「どうしたの?」