デモパラ『その手』シリーズ第4話 クライマックス1


【GM】:衝撃を受けるシンジに追い打ちをかけるかのように、部屋の奥から男が一人、姿を現します。目は爛々と輝き、気味の悪い笑みを張り付かせてはいますが、間宮陣区郎です。

【GM/陣区郎】:「おまえたちかあ、コソコソと館を嗅ぎまわっていたのはあ?」

【シルバ】:「行方不明の黒幕は、オマエで間違いないな?」

【GM/陣区郎】:「それがどうかしたか? わしの創作活動の一環だ、芸術の作業工程だ。たかが数人くらいでガタガタ言うでないわ!」

ジョジョ】:「食うわけでもなく、そんな訳のわからんもんで殺すんじゃねえ」

【シンジ】:「こんなのおかしいですよ、間宮先生! 先生の作品が大好きで、待ち望んでいる人もたくさんいるのに!」

【GM/陣区郎】:「そうだ、わしはよりよい作品を作り続けたい……それがこやつらだ」

【シンジ】:「え?」

【GM/陣区郎】:「人間と人形の融合……究極の美を求めた末の結論よ。誰もなし得なかった、この領域に、悪魔憑きになることでようやく踏みいることができた」

【シンジ】:「先生……」

【GM/陣区郎】:「だが、わしはまだまだ未熟であることを思い知らされた……。あの娘、幼き女王に出会ってからはな」

【シルバ】:「組織から買ったエレナか」

【GM/陣区郎】:「エレナ! そうだ、あの娘こそ“美”そのもの! あの生きた美の前には、どんな芸術も霞んでしまう!」

【GM】:そう言いながら、全身を尋常じゃなく震わせ、陣区郎は叫びます。

【GM/陣区郎】:「わしは“あれ”を越えねばならん! 芸術は! 命よりも尊いのだからな! まだ足りぬ! あの圧倒的な美を越えるには、もっともっと人間が……材料が必要なのだ!!」

【GM】:言い終わるや否や、飾られていた人形の何体かが動き出しました。眼窩からは正体不明の液体が流れ、口からはひきつったような呻きが漏れ出します。それは苦悶の悲鳴でも、自らの末路を嘆くでもなく、ただこの苦痛を死によって終わらせてほしいという、懇願のようにも聞こえます。
 と、同時に、陣区郎が人ならぬ鳴き声と共に、昆虫を思わせる外骨格へと姿を変えていきます。

【シルバ】:「語るに堕ちたな、外道め。真っ当なおれたちが叩きのめしてやろう」