デモパラ『その手』シリーズ第2話 オープニング1


【GM】:さて。今回からはいくつかのグループに分けて、別々のオープニングをすることにします。
【シンジ】:それはシーン制みたいに、1人1人個別でオープニングやるってこと?
【GM】:というわけではありません。職業とか人間関係で分けてるだけです。何人かが同じ内容のオープニングに登場することも、当然あります。



 以上は、シナリオ進行についての話である。
 TRRGに親しんでいない人には、理解しにくい会話だと思う。
 簡単に説明すると、多くのTRRGはたいていPCを集合させ、全員のオープニングを一度に演出する。
 対して、シーン制などを導入したゲームの場合、PC1人1人に焦点を当て、個別のオープニングをPCの人数分演出する。
 この2つの手法は一長一短で、どちらが優れているという話ではない。
 シナリオを管理するGMが、そのシナリオにふさわしいと考える手法をとるだけなのだ。
 このシリーズでは2つの手法の中間をとり、職業や人間関係でPCをグループ分けし、そのグループに応じたオープニングを演出する手法をとっている。



【GM】:実際やってみたほうが分かりやすいと思いますよ。まずは、柏木のオープニングから。
【柏木】:はいはい。
【GM】:前回の事件を解決してから、数週間後のこと。あなたの事務所を、このビルの管理人である冬子さんが訪ねてきました。
【柏木】:管理人さんですか。何の御用でしょう?
【GM/冬子】:「ええ、ジャムを作ったのでお裾分けに……」
 と言った冬子さんの手には、白色のジャムの入った瓶が……。
【シンジ&ジョジョ】:秋子さんかよっ!?(一同爆笑)



 説明しよう。
 秋子さんとは、美少女ADVゲームの名作《kanon》に登場する、あるヒロインの母親である。
 料理が上手く、柔らかい物腰の彼女だが、機会さえあれば材料・調理法などが一切不明の白色のジャム“謎ジャム”を食べさせようとする、困った人でもある。
 GMはこの頃、《kanon》に大ハマりしてお(以下略)



ジョジョ】:かわせ、柏木! そのジャムは危険だ!(笑)
【柏木】:「実は10瓶ほど買ったばかりでして」(笑)
【GM/冬子】:「冗談です」(笑)
ジョジョ】:おい(笑)