デモパラ『その手』シリーズ第1話 本編8


【GM】:そうこう話しているうちに、目的のビルに到着。一見して人影はありません。
 周りには新鮮組の組員たちがバラバラに集まっています。
【柏木】:さて、組員さんたちはどうしますか……。
【シルバ】:とりあえず、ここで待たせておけ。悪魔憑き相手では心許ないしの。
【シンジ】:僕らの正体もバレちゃいますしね。
【柏木】:そうですね。私たちはあくまで、有能な一般人としておくべきでしょう。
 周りを囲むように、彼らを説得します。
【GM】:それは受け入れがたいですね。親分は自分たちで助けたいでしょうし。
【柏木】:では、大人数で行けば警戒されることや、万が一の場合人質に害がおよぶこと。そして、一般人である私たちなら油断するかもしれない……などの理由を挙げます。
 それで駄目なら、〈交渉〉判定も……。
【GM】:判定ですね。ただ柏木の言うことももっともですから、目標値は少し下がって12です。
【柏木】:(コロコロ)15、余裕です。
【GM/組員】:「柏木さん、よろしくお願いしやす!」
【柏木】:「分かりました、それでは行ってきます」



 かくして廃ビルに侵入する3人。
 時折、いたるところから小さい破片が落ちて、今にも崩れるような不安を掻き立てる。
 けれど、忍びこむ者にとっては、足音を消してくれる手助けとなっている。
 そのおかげか、何事もなく進んでいくことができた。



【GM】:日暮れ時、電気も通ってないはずのある階の一角に、ぼんやりとした灯りが灯っているのが分かります。
【柏木】:灯りに映る影で、何人くらいいるのか把握できませんか?
【GM】:反射もあるでしょうし、それは厳しいですね。近づくにしても、その一角以外に遮蔽物は見当たらないですよ。
【シルバ】:俺たちのところからの距離は?
【GM】:15mくらいですかね。
【シルバ】:乗り込むか、誘き出すか……。
 おまえの人形が等身大でなければ、偵察できるのにのー?
【シンジ】:そんなこと言われても、どうしようもないですよ。
【柏木】:せめて聞き耳だけでもたててみます。
 話し声がしてればラッキーくらいで。