R&Rvol.44


 今号の目玉は、やはり《ソードワールド2.0》のリプレイ、『拳と魔封の物語』。
 GMを務めるのは、以前に記事を書いたガープス・リボーンリバースリプレイの著者でもある諸星崇さん。
 今回のリプレイでも、ていねいでやわらかなマスタリングとしっかりとした文章で楽しませてくれます。
 キャラたちもまた、暴走や浮いたりすることない自然さで、それぞれの個性を主張しあっていて、とても好印象。
 また、このリプレイのもっとも素晴らしいのは、打ち合わせのよさです。
 PLは、GMや周りの反応を見ながら自分の要望を述べていますし、GMもできることできないことをはっきり言いつつ、できるだけ要望に応えようとしています。
 わりとシナリオの根幹に関わる設定をつけているアンというキャラがいるのですが、彼女の設定やロールプレイもゲームに支障をきたすことなく、スムーズに表現されています。
 少し我の強いPLやGMなら、とうてい無理な芸当です。
 このリプレイにおいて、TRPGにおけるPLとGMの理想の関係が構築されていると言えましょう。
 初めてTRPGを始める人にも、安心してオススメできる逸品です。
 これはもう、単行本出たら買うしかないです(笑)