NW2リプレイ 愛はさだめ、さだめは死


 やっっっと来た!
 1ヶ月くらいしないと来ないなんて、人吉マジウザいっす!
 ……そんなわけで入手&読了。
 田中天さんのリプレイということで安心と期待を確信してましたが、見事に応えてくれました。
 いや、実に良いリプレイ。
 天さんのユーモアと小粋なギャグ、読者の予想のナナメ上を行く展開のシリアスストーリーが絶妙の調和を生みだし、しゃっきりぽんとしたさわやかさをも含んでおります。
 要するに面白いということです。
 そして、デザイナーであるきくたけさんが珍しくPL参加してるのも見所。
 リプレイ中も邪悪だのエミュレイターだの言われてますが、それは表面上のこと。
 世界の安定を第一に考える悠久の存在というキャラ性は、人情派な他のキャラとの立ち位置的バランスを取った結果であるし、黒かったり冷淡な発言に関しても他のキャラの決意の強さを引き立てる名脇役と言えるのです。
 もちろん。
 担当PCの性格に、きくたけさんの素の部分が出ていたのは確かなのですが。


 ただひとつ、気になる点がありました。
 非常にシリアスでドラマチックなリプレイが多くなり、完成度の高い作品が作られるようになってきたFEARリプレイですが。
 そんな最近の作品では、かわたなさんが少々浮き気味なのがひっかかります。
 結論から言えば、カブキ過ぎなのです。
 いかにも主人公なことをこれみよがしに語るために、自然にロールプレイしている他のPLたちやセッションの雰囲気から浮き上ってしまっています。
 これはよくありません。
 どんなに上手いプレイだとしてもセッションの雰囲気は守らないと、リプレイとして見れたもんではなくなります。
 みんながシンデレラをやっているのに、一人だけスーパー歌舞伎「桃太郎」でハッスルしてるようなもんです。
 白御子の頃からそうした傾向にありましたが、今回はちょっと見れたものではありません。
 読者に説明する意味で、あからさまにやったのかもしれませんが、普通はもう少しさりげなくやるべきでしょう。
 そろそろ、かわたなさん=主人公も改める時期なのかもしれませぬよ?
 FEARさん?