《デモンパラサイト》魔獣の姫は血を望む。


 北沢慶著の、小説版デモンパラサイト
 設定がウチのサークルでやった正人とミナにすごくよく似てるけど、考えてみれば、ありがちな設定だからか。
 なんというか、北沢作品はいい意味でも悪い意味でもTRPG的だ。
 分かりやすいし、盛り上がる場面もある反面、プロットがすすけてしまっているところがあるように思う。
 キネスティックノベルのシナリオも手掛けたらしいけれど、あちらも『予告を見れば話の筋が80%分かってしまう』のはいかがなものか。
 個人的にはもう少しひねって良さそうなものだが……。


 脱線が過ぎた。
 話を本作に戻すと、主人公がわりとまともなのと、ヒロインのふるまいが古風なことから《3×3EYES》に近いものになっている。
 少なくとも、キャラの立ち位置は似たようなものなはずだ。


 ただ気になるのが、主人公が悪魔憑きについて知らされ、戦いを余儀なくされた時に、やたらに物分かりがいいことだろうか。
 平凡な高校生と冒頭で描写されたわりに、「おまえは私とともに戦うのだ、ドーーン!」みたいなことをすんなり受け入れているし。
 それはリアルではないと思う。
 いくらケンカ慣れしてるからって、化け物同士(一般人からすれば、妥当な認識だ)の戦いに巻き込まれて、この態度は……ちょっと受け付けない……。
 いくらラノベだからって……。
 1巻2巻かけて葛藤して欲しいです。
 TRPGと違って、小説のキャラは、行動にリアリティがつきまとうはずだし。