加藤諦三とワシ


 加藤諦三という人がいる。
 人間心理についての著作の多い人だが、心理学者というわけではないらしい。
 それにしてはやたら適格に、人の心理というものを正確に書き出している。
 特に鬱やノイローゼについての文章が多く、ワシからすれば当てはまる部分がほとんどだ。
 ムカつく記述もあるが、それでも当たっていることは否定できない。


 ただし、その分析も過去から現在までがどんなだったか把握することはできても、これからどうすればいいかに関しては、あまり参考にならない。
 なにせ「運命を受け入れろ、ニーチェの言う超人になれ」と無茶なことを主張しているし(笑)
 また、考えや価値観が偏っていて、自説に繋げるために童話などを強引に解釈している記述もある。
 その辺りに気をつけて、自分や相手の過去と現状を考える役にはたつ。

 もし精神的なことで悩んでいるなら、以上のことを注意しながら読むといいかもしれない。