PLとGMがレベルアップするTRPGシステム
前回では書いていなかった、ハンドアウトを嫌う理由に『ハンドアウトを使わないとシナリオが作れなくなる』、『ハンドアウトなしでのセッション運営の技術が習得できないなど、プレイング・マスタリングが向上しなくなる』なども挙げられていた。
今回はこれらに対処するべく、またアイデアを出してみる。
今回のアイデアは、PLとGMの両方が成長するTRPGシステムの草案だ。
この草案で、参加者全員がまったくの初心者から始めて、最終的にはベテラン並のテクニックを身に着けるまで遊べる可能性が出て来るはずだ。
まず、FEARシステムで使われている経験点システムを、PLやGM自身にも導入する。
仮にセッションレベルと呼ぼう。
当然、経験点がたまればレベルアップする。
また、PLセッションレベルとGMセッションレベルは別々に扱う。
この草案では、レベルが低いと、ルールによって遊び方がガチガチに決められていて、コンピューターRPGのような、窮屈な印象を与えるだろう。
また、使えるデータも限定される。
例を挙げると……
〜レベル1〜
ルール:必要最低限のルールのみ(D&Dのベーシックルールのような感じ)。データも最低限のものまで。
PC作成:サンプルキャラクターのみ。名前や設定なども決められている。
シナリオ:1人プレイで使われるソロアドベンチャー方式。行動の選択肢などはあらかじめGMによって決められていて、PLはその範囲内でしか行動できない。PLが選んだ選択肢や判定の結果によって、分岐が起きる。
〜レベル2〜
ルール:基本はレベル1と同じ。ただし、データは選択肢が多くなるように使用できるものが増える。
PC作成:ランダム要素を含んだ専用のルールで作成する。また、名前や設定を決めることができる。
シナリオ:一般的なTRPGシナリオを作成する。ただし、ハンドアウト等の支援ツールを必ず使用し、〇〇を倒すだけ、などの脇道にそれにくい内容にすること。
〜レベル3〜
ルール:選択ルールや上級ルール以外の全てが使用可能。データも選択や上級以外の全てのデータが使用できる。
PC作成:ルール内で通常通り作成する。ランダム作成しても、データを選択して作成してもよい。
シナリオ:一般的なTRPGのシナリオを作成可能。PC対立シナリオや、伏線を含んだ複雑なシナリオを作ってもよい。ただし、ハンドアウト等の支援ツールは必ず使用すること。
……と、こんな感じになる。
この段階的に遊んでいくシステムを“ビルドシステム”と名付けよう。
ビルドシステムの利点は、段階的にルールやシナリオ作成手順などを導入することで、TRPGのTの字も知らない人同士が遊んでも問題なくTRPGが機能すること。
そして、それらの経験を踏まえた上で遊ぶことにより、プレイングやマスタリングの向上をシステム面から促せることだ。
ビルドシステム専用のルールはまだ考えていないが、手間を惜しまないGMやPLなら、自分でビルドシステムを設定することもできる。
自作する場合のアドバイスとして、ビルドシステムは、行為判定などが統一されたシンプルなシステムと相性がいい。
具体的なシステムを挙げると、《D&D》、《アリアンロッド》、《デモンパラサイト》、《ナイトメアハンターディープ》、《ガンドック》などだ。
自画自賛ながら、革命的なアイデアだと思うので、一度試してみてはいかがだろうか?
かく言うワシも、ビルドシステム専用のTRPGシステムを考案中だ(笑)