ヒトモドキ クライマックス1


 「――準備も整い、シミュレートも済んだ。後は収獲するばかり、ですね」




【GM】:人々が気にも止めない、打ち捨てられた廃ビルに。
 ショウコたちと悪魔憑き捕獲部隊の隊長が、一定の距離を保ちながら向き合っています。
 隊長は由衣を拘束しています。


【GM/隊長】:「来ていただけたようですね。約束の時間ぴったりだ、さすがは名高い清涼学園のお嬢様方です」


義経】:「連れて来たぞ、早く片桐を返してもらおう」


【GM/隊長】:「それは同時に……」


義経】:「そんな話は聞いていないな。約束を違えるのか?」


【隊長】:「……賢いお嬢さんだ」


【GM】:そう言うと、隊長は不意に由衣の拘束を解きます。
 すぐさまショウコに駆け寄る由衣。


【ショウコ】:あたしも駆け寄って保護します。
 んで、戻りながら隊長を睨みつける!


【GM】:しかし隊長は、ショウコの眼光を真正面から涼しい顔で受け止め、言葉を続けます。


【GM/隊長】:「さあ、その3人をこちらに渡してもらいましょうか」


義経】:「エル、エム、エスの3人のことだな?」


【GM/隊長】:「ええ、それはわたしたちの大事な商品です。造り主に代金は払いましたからね。所有権はこちらにあるのですよ」


義経】:「ふ、知らんな」


【GM/隊長】:「は?」


義経】:「我々との約束は“3人を連れて来る”だろう? 私たちは言う通り、連れて来た。その後のことはこちらには関係ないな」


【まほ子】:すさまじい弁舌ですね(笑)


義経】:断っておくが、厳密に言うと正しい主張なんだぞ(笑)


【まほ子】:そりゃそうでしょうけど(笑)


【GM】:それには隊長も苦笑しながら、言いますね。


【GM隊長】:「これはこれは、本当に賢いお嬢さんだ。……ならば、無事に貴方方を帰すかどうかも……分かりますね?」


義経】:「結局はそんなところか。やれやれ、古典的だな」
 大袈裟に溜め息をつく。


【ショウコ】:「上等っ! アンタはボコボコにしてやるから!!」


【まほ子】:「それはわりとこちらのセリフですよ?」


【GM】:ショウコたちが啖呵をきった直後、隠れていたらしい捕獲部隊たちが一斉に姿を表します。
 特に隊長の後ろからは、ガトリングを両手に持った男など、屈強そうな者たちが現れました。


【GM/隊長】:「野火ショウコさん。それがお望みなら、この部隊を全滅させることですね。まぁ、無理でしょうが。シミュレートの結果も10回中10回、こちらの勝利でしたよ」


【GM/ガトリング男】:「やぁぁっと出番かああぁ……てめぇらまとめて蜂の巣だああぁ!?」