ヒトモドキ 本編9
「――さて、大人しく指示に従うような人たちでもないでしょう。何人ほど兵隊を用意しておきますか……」
エス、エム、エルの3人と合流したショウコたちは、由衣をさらった部隊からの連絡を受け、今後の行動を模索していた。
【ショウコ】:「罠かもしれないけど、行くしかないよ」
【義経】:「是非もないな。しかし、今回は本当に危険な仕事だな」
【まほ子】:エスたちの気持ちを確かめておきましょう。
エスの前にかがんで目線を合わせます。
「私たちはこれから由衣さんを助けに行きます。エスちゃんも来ますか?」
【GM/エス】:真剣なまなざしで答えます。
「行く」
【まほ子】:「罠かもしれませんよ。それでも行きますか?」
【GM/エス】:「エスはどうなってもいい! ただ、由衣お姉ちゃんは……お姉ちゃんは絶対助ける!」
【まほ子】:「と言ってますが、連れて行きますか?」
ショウコたちの方を振り返ります。
【ショウコ】:力強く頷くよ。
【義経】:微かにだが、優しく頷こう。
【GM】:エルとエムも同行を申し出ます。
【GM/エル】:「罠かもしれん。だが、ヤツらを一掃するチャンスでもある」
【GM/エム】:「それに、博士を殺したやつらを許しておけないよ!」
【義経】:「そういう貴女も来るのか? 天宮清掃員」
【まほ子】:「生徒をほったらかす職員がどこにいますか。それに彼らのよう人たちは、個人的にも嫌いです。いたずらな犠牲ばかり増やす輩ですよ」
【義経】:「ふむ……」
【まほ子】:ご主人様に連絡を入れます。
【GM/理事長】:「まほ子、今の状況はどうですか?」
【まほ子】:「ご主人様のおっしゃっていた通りでした。依頼人は、関係者もろとも捕獲ないし殺害するつもりだったようです。先ほど襲撃を受けましたが、撃退しました」
【GM/理事長】:「そうですか……。手段を選ばない者たちのようですね」
【まほ子】:「はい。それと、こちらの不手際でわが校の生徒を、2人ほど巻き込んでしまいました。これも、わたしの不徳の致すところ、申し訳ありません」
【GM/理事長】:「その生徒とは?」
【まほ子】:「は、野火ショウコ、源義経の2人です」
【GM/理事長】:「悪魔憑きの2人ですか。一般人よりは動きやすいですね。天宮まほ子、新しい命を下します」
【まほ子】:「はい!」
【GM/理事長】:「今回の脅威を殲滅なさい。そして全員を生きて戻らせるのです」
【まほ子】:「はい! この天宮まほ子、一命に代えましても……」
【GM/理事長】:「まほ子、それは違います」
【まほ子】:「は……は?」
【GM/理事長】:「全員は『全員』です。貴女も生きて戻ってきなさい、必ず」
【まほ子】:「了解しました!」
【GM/理事長】:「こうなれば、あなた方が頼り。頼みましたよ」
電話が切れます。
【ショウコ】:「よし、行こう!」
かくして、ショウコたちは誰1人欠けることなく、廃ビルへと向かった。