ヒトモドキ 本編7


 「――よし、5分でケリをつけるぞ。対悪魔憑き装備を起動しろ。プランA開始だ」




義経】:他にめぼしいものがないなら、次の部屋に行こう。


【GM】:書斎のドアを開けた先は、研究所です。
 様々な器具や機械、装置が立ち並んでいます。 専門家以外には何が何だか分からないでしょう。
 その奥でエスとエル、エムがなにかを囲んで座っています。
 ショウコたちの耳に、微かに聞こえる耳障りの悪い咀嚼音。


義経】:嫌な予感がヒシヒシとするな……。


【ショウコ】:刺激しないように、なるべく優しい感じで声をかけます。
 「えっと、エスちゃん?」


【GM】:ショウコたちが声をかけたのに反応し、驚いたように振り返ったエスの口元と服は……血にベッタリと染まり、両手には人間の腕らしきものを持っていました。


【ショウコ】:「!?」


【まほ子】:「……!」


義経】:「予想はしていたが……正直、当たってほしくなかったな……」


【GM】:エスのそばにいた、黒コートの男女がサッと立上がり、叫びます。


【GM/エム】:「あんたたちは何者だい? あいつらの仲間かい!?」


義経】:私が答えよう。
「違う、我々はセラフィムの者だ」


【GM/エル】:「せらふぃむ?」


【GM】:そんな時、まほ子は数人の殺気めいた気配を感じます。


【まほ子】:「……誰か来ます!」




 ドアを開けて入ってきたのは、武装した数人の男たち。
 彼らを率いているのは、まほ子の依頼人であった。




【GM/依頼人】:「よし、目標を捕獲する。部外者も一緒に始末しろ。情報が漏洩してはかなわん」


義経】:「“あいつら”とはこの者たちのことか。……しかし、部外者を問答無用で抹殺とはな」


【まほ子】:「よくも騙してくれましたね!」


【GM/依頼人】:「これはこれは。残念ですが、見た限りは死んでいただきますよ。ご主人にはよろしく伝えておきますので」


【まほ子】:「けっこうです! わたしは自分の口で報告するのですから!」




 かくして、企業の武装部隊との戦闘が始まる。
 しかし、男たちも訓練されているとはいえ、所詮はただの人間。
 ここでも悪魔憑きのまほ子たちによって、男たちは蹴散らされた。




【GM】:依頼人は息も絶え絶え、無線で連絡を入れ、こときれます。


【GM/依頼人】:「く…本部、作戦は失敗。プ、プランBを……」


【まほ子】:無線機を壊します。


【GM/エム】:「あんたたち……あいつらの仲間じゃないみたいだね」


義経】:「そうだ、我々はセラフィムの人間だ」


【GM/エル】:「せらふぃむ……そこで博士に造られたのか?」


義経】:「いや、おまえたちとは違う。我々は悪魔憑きだ。振るう力は似ているかもしれないが……」


【ショウコ】:それよりも!
 「エスちゃん! 由衣が、由衣がさらわれたの! 心当たりはない!?」


【GM】:ショウコの知らせを聞いて、エスは驚きます。


【GM/エス】:「お姉ちゃんが!?」


【まほ子】:「話もあるでしょうが、場所を変えませんか? 目的がエスちゃんたち3人なら、追っ手が来るかもしれません」


義経】:そうだな、エスたち3人にも言おう。
 「おまえたちも一緒に来てくれ。今は協力しあえるはずだ」


【GM/エル】:「ヤツらと敵対しているなら、我々の味方か……わかった」


【GM/エム】:「そうだね、信用するよ」