ヒトモドキ 本編5
「――関係者Aを確保しましたか。しかし、どうやらこちらの正体を感づかれたようですね。プランAを実行します。万が一に備えて、引き続きプランBの準備もするように、以上」
【義経】:黒コートの男女が気になるな。
【GM】:目標値は13で。
【義経】:〈情報技術〉で(ころころ)……成功した。
【GM】:黒コートの男女がそれぞれ〔エル〕、〔エム〕という名前であること、エスという名前の女の子を探していることの2つが分かります。
【まほ子】:わたしもご主人様からのメールを見ますが。
【GM】:メールには、今義経が調べたことの他に、エル・エム・エスの3人の名が郊外に住んでいた悪魔寄生体の研究者の資料に記されていたことが書かれています。
【義経】:エス……あの女の子が関わっているのか。
ショウコとまほ子に、連絡を入れよう。
【ショウコ】:下水道を走りながら、電話を受けます!
かくかくしかじかで!
【まほ子】:こちらも同じくです!
【義経】:GM、件の研究所へは下水道から行けるか?
【GM】:行けますね。
【義経】:なら私は、〈飛行〉で郊外の屋敷に向かおう。
みんな、連絡は密に行なおう!
【まほ子】:はい!
【ショウコ】:分かった!
【GM】:なるほど。
それなら、普通に会話していいですよ。
【まほ子】:「由衣さんをさらったのは…私の依頼人かもしれません」
【ショウコ】:「どういうこと?」
【まほ子】:「不審に思って調べたんです。実はその依頼人、企業の悪魔憑き捕獲部隊に所属する人間で、エスちゃんを狙っているようなんです」
【義経】:「天宮清掃員……なぜそれを、最初から我々に言わなかった……!?」
【まほ子】:う、それを言われると……。
「きな臭い話ですし、無関係な人を巻き込みたくなかったんですよ!」
【ショウコ】:「じ、じゃあ由衣は……!?」
さすがに慌てる。
【義経】:「落ち着け、片桐の手かがりがわからない今、まずは屋敷で合流するほうが先決だ」
【ショウコ】:「でも、由衣ちゃんが……!」
【義経】:「追い詰められたと感じたエスは、十中八九、研究所に行くだろう。黒コートのエムとエルも身を隠すなら、研究所の近くのはずだ」
【まほ子】:「ですね」
【義経】:「今できる最善のことを、やるしかない」
【ショウコ】:「……わかったよ」