誰がための命 本編10
小春の命を繋ぐため、奔走する優たちであったが、結果は出ない。
そして、そのまま翌日を迎えてしまう。
もはや、時間はなかった。
とれる手段も、選べる選択肢も無いに等しかった。
【義経】:翌日になってしまったのか……。
【GM】:なってしまいました。
山では、朝から工事の機材が運び込まれています。
現場の人間らしき、ヘルメットを被った人と、白衣を着てメガネをかけた男が話し込んでいます。
どうやら白衣の男のほうが、野犬処理班のリーダーのようです。
奇妙なのは、白衣の男のそばにいる、ものものしい装備の何者か以外、それらしき人員がいないことでしょうか。
……以上のような内容を、伝言者から皆さんに連絡がいきます。
【信衛門】:全員車に乗せて、再び山に向かうぞ。
みんな、それでいいか?
【一同】:もちろん。
【GM】:すぐに山に辿り着きます。案内を得て、再び長と面会する優たち。
【GM/長】:娘がいないようだが? 用意できたのか?」
【義経】:「いや、調達できなかった……」
【優】:「わたしも企業を止めようとしたけど、無理だった。相手は本気よ。考え直して今からでも逃げない?」
【GM/長】:「できんな。お前たちが娘の命を救いたいように、我らも住みかを守りたい。これだけは譲れぬ」
【鉄子先生】:「しゃあないわね……」
【信衛門】:「ああ、腹をくくるか」
【GM/長】:「……? 何をするつもりだ?」
【信衛門】:「密かに企業の妨害をする。俺たちの目的を果たすには、もうそれしかない」
【GM/長】:「企業を殺すということか?」
【鉄子先生】:「人死には出さない、撤退させるだけよ」
【GM/長】:「こちらは相手の生死は問わんぞ」
【鉄子先生】:「そっちはそっちのやり方でいいわ。ようは、工事を諦めさせればいいんだから」
【義経】:「最終防衛ラインを決めてくれ。私たちはその外で動く」