誰がための命 本編5
【鉄子先生】:「わたしの千春たんに何をしたーー!?」
【義経】:俺のもの発言、キターー!(笑)
【優】:しかも、「たん」ですか(笑)
【信衛門】:ちょっ、それキャラのセリフっすか?
本気で!?(一同爆笑)
【鉄子先生】:もちろん(一同爆笑)
PCもPLも100%本気だぞ。
【信衛門】:どっちかにせいっ!(一同大爆笑)
……いや、落ち着け、おれ。
(ふう、と息を整えて)「彼女をどうした!?」
と怒気をはらみつつ、言います。
【GM/長】:「慣れぬ山道を歩いてきて疲労しているだけだ。我らは何もしておらぬ。傷つける理由もない」
【優】:「そもそも千春たちとどういう関係?」
【GM/長】:「……相変わらず人間は、別族に対する礼儀を知らんな」
【義経】:私が話そう。
「失礼した、私の名は義経。そこの娘、千春とは同じ共同体で生活している。私の周りにいるのは、全員が千春とは何等かの関係者だ」
【GM/長】:「その娘は千春というのか。察するに事情を知らぬな?」
【義経】:「そうだ。千春の妹の小春に用があるようだが、説明してもらえるか? 同族の仲間の危機であるなら、放ってはおけないのでな」
【GM/長】:「人間にしては、見上げたものだ。分かった、知っている全てを話そう」
【GM】:長がそう言った後、気がついた千春も説明に参加し始める。
そして長と千春は、ゆっくりと語り出した…。
千春と小春の姉妹が5才の時、この山で遭難した。
この時から小春は持病を抱えており、それは現代医学では治療が不可能なもの。
医者からは10歳になるまで生きられないだろうと言われていた。
せめて楽しい思い出を作ってやりたいという両親の願いから、姉妹はいろんなところに行き、心ゆくまで遊んだ。
今回のこの山で千春は花畑を見つけ、小春を連れて行こうとした。
しかし足を滑らせ、坂を落ちてしまったのだ。
さらに悪い事に小春の打ち所が悪く、今にも死を向かえようとしていた。
偶然にも、そこに長が通り掛かった。
あるいは、縄張りを荒らした人間を追いだそうとしたのかもしれない。
始めは長の姿に驚いた千春だが、小春を助けてくれるよう懇願した。
「せめて、あと10年。10年だけ命を与えてほしい」、と。
自分たちの住家を荒らす人間に憎しみすら覚えていた長だったが、千春の妹を想う心に打たれ、ある契約を交わした。
10年間だけ悪魔寄生体を小春に与え、生かすことを。
その悪魔寄生体は非常に強力な再生能力のみを持ち、小春の病気の進行を止めながら、日常生活ができるほどまで回復させていたのである。
が、その悪魔寄生体ですら、小春の病気の進行を止めるだけで、治すことはできない。
つまり……今、小春から悪魔寄生体を取り出せば、死ぬのである。
【GM/長】:「そして……明日がその10年目だ」