闇の憐れみ、光の裁き 本編10
【ショウコ】:「……」
【義経】:「友人は親友の苦しみに気付けなかったことを悔やんでいる。そして、なんとか助けたいと願っているのだ」
【GM/律子】:「そう……そこまで志帆のことを思ってくれているのね。ありがとう、野火さん」
【ショウコ】:「えっ……!」
【義経】:「突然何を言い出すのだ? 私は……」
【GM/律子】:「源さんだったわね。あなたが野火さんや志帆を思いやって話してくれたのは分かるわ。でも、こうしたことはお互いハッキリと言い合わないとこじれるだけ。配慮も選ばないと、悪化するだけよ」
【義経】:「む……」
【GM/律子】:「野火さん、ほんとうに志帆のことを大切に思ってくれているのね?」
【ショウコ】:「もちろんです! だって志帆とは、中学から一緒にいたんです! ケンカも時々したけど、それも全部……全部大切なんです。これからも友達でいたいから。だから……」
【優】:真剣に聞いてるよ。よく分かるもん、その気持ち。
【GM】:それは志帆も同じようです。
俯いた顔がフルフルと震え、込み上げてくるなにかをこらえるように黙っています。
【ショウコ】:「だから、あたしは志帆を助けたい! 一人で苦しんでほしくない! あたしは、志帆に……」
【GM】:ショウコの言葉を遮るように、不意に志帆が立ち上がります。
顔は真下を向いていて、表情は見てとれません。そして、唐突に大声で言います。
【GM/志帆】:「ちょっ、ごめん! ちょっとトイレ!」
【GM】:そう言うなり、志帆はトイレに駆け込んでしまいます。
【ショウコ】:「……」
【義経】:「……」
【優】:「……」
【義経】:「それで、貴様は何者だ? 浦上の親戚ではあるまい。口裏を合わせてまで何をしようとしている?」
【GM/律子】:「……話は分かりました。続きは……学園の屋上でしましょう」
そう言った彼女の目は人ではなく、目的の障害を見つけた生物のそれだった。