ステージ:ウイッチ・ハントその1


〈始めに〉
この記事は、TRPGシステム《デモンパラサイト》のステージの案を記したものである。
ステージとは冒険の舞台のことであり、PCの活動範囲と言い換えてもいい。
ステージという言葉が表れたのは、FEARの《ダブルクロス》が最初であり、それ以前はワールドなどと呼ばれていたものだ。
そして、《デモンパラサイト》の公式ステージは【大友市】、【須佐山学園】、そして新サプリで追加された【ヘルオンアース】などがある。
この記事が、普段とは違うデモンパラサイトを楽しむための素材となれば幸いである。




〈ステージ名〉
ウイッチ・ハント


〈ステージ概要〉
時は西暦1545年。
ヨーロッパでは宗教改革により、旧教のカトリックと新教のプロテスタントルター派カルヴァン派イギリス国教会など)両派の争いは激化の一途を辿っていた。
時を同じくして、ヨーロッパ各地において、謎の伝染病や災厄が次々と発生。
さらには、人ならざる力に目覚めた人間や動物が現れ始めた。
この事実をいちはやく察知したカトリックは、すぐさま声明を発表。
教皇曰く、「こたびの災厄や病は、新教の信望者たちが悪魔と結託して起こした、神の信徒に対する許しがたい侵略」と語り、徹底的な新教弾圧を開始した。
力に目覚めた人間や動物も“魔女”や“魔獣”と称され、悪魔の手先とされた。
“魔女(便宜上の呼び名であり、性別は問われなかった)”は拷問の末の処刑や虐殺の対象となり、“魔獣”は発見され次第、問答無用で討伐された。
後の世で“魔女狩り”と呼ばれる、陰惨な歴史の始まりである。
これは、歴史の彼方に埋もれてしまった、魔女と魔獣の知られざる半生の記録…。


〈悪魔寄生体の扱い〉
【ウイッチ・ハント】では、悪魔憑きは人間の場合“魔女”、動物の場合は“魔獣”と呼ばれます。
また、悪魔寄生体の正体や生態については知られておらず、「突然もたらされた悪魔の力」という認識しかされてません。
ただ、魔女や魔獣は漠然と相手の力を奪うことができるのを知っており、無意識に力を高めたいと思っています。
これは生物の生存本能が、悪魔寄生体によって引き出されていると考えられます。


〈PCの立場・目的〉
ウイッチ・ハントにおいてのPCは“魔女”または“魔獣”と呼ばれる、正体不明の力を突然持ってしまった人間や動物です。
生まれや階級に関係なく、突如目覚めるものであるため、農民や騎士や果ては王族が魔女であることもあります。
PCの目的は主に3つ。
1つは「生き残るために強くなること」、
1つは「魔女(魔獣)であることを知られないこと」、
最後の1つは「今の生活を守ること」です。
これらの目的の優先順位は、個人個人によって異なるでしょう。
特に人として生き、今の生活を守ろうとする人間・動物を総称して“マイト”と呼ばれます。


〈PCの敵〉
主な敵としては、力に心を奪われた“魔女”や“魔獣”である“ヴィシャス”です。
“ヴィシャス”は悪魔の力を使い、自らの欲望を叶えようとしたり、敵を排除しようとします。
ヴィシャスたちの間では生物(特に魔女や魔獣)を食らうことで力を増すことができると信じられており、機会があれば積極的に食らおうとします。
また、ヴィシャスばかりではなく、魔女狩りを行う“狩人”や狩人たちを束ねる集団も敵となります。
カトリック教会も魔女狩りのための特殊部隊を創設したという、噂もあります。
しかし、敵というなら周りにいるもの全て、他者の全てが敵です。
たとえ一般人であっても、密告や噂によってPCたちを危機にさらすでしょう。
その人は、PCの親しい友人かもしれないのです。




(その2へ続く)