「ヒトモドキ」クライマックス3ー2


説得と議論が膠着状態に入って、しばらくのあと。
一部始終を見ていた男はボソリと呟いた。




【丈二】:やはり…平行線、ですか。




その呟きを聞いたわけでもないのだろうが。
やがて決心がついたのか、チエはしっかりと、短く言った。




【チエ】:「仕方ない、戦おう。」
【正】:「ふぅ…ままならんね。」
【GM】:(悪いことをしたな、という顔で)では戦闘に入ります。


〜第1ラウンド〜
【GM】:行動順は(全員の行動値を見る)…正、エム、牙行、エル、チエ、丈二の順ですね。
エンゲージはエル&エム→5M→チエ&正&牙行&丈二です。
まずはエルが…


以下はダイジェストでお送りする。


エル・エムが立て続けにHAを使用、波状攻撃を食らったチエたちは全員、魔獣化をよぎなくされる。
返すチエたちの攻撃が飛び、エルとエムも魔獣化。
第2ラウンドでは、エムがHAで、エルの追加行動HAを復活させようとするが、それは丈二のHAによって打ち消される。
追加攻撃を阻止されたものの、エルとエムの攻撃は着実にチエたちのHAを削っていく。
消耗戦は不利と悟ったチエたちはこのラウンドで決着をつけるべく、攻撃用HAをフル活用で総攻撃。
エムが倒れ、FPの高さで粘っていたエルも、チエのHA《乾坤一擲》による魔剣の一撃を受け、エムのあとを追った。




【GM】:エルとエムは倒されました。戦闘は終了です。
【正】:とりあえず勝ったけど、なんか…スッキリとしないねぇ。
【PC一同】:………。
【チエ】:…そうだ、早く由衣ちゃんを…。
【GM】:チエが由衣の方へ目を向けると…彼女はすでに目覚めていて、チエたちを見ています。どうやら、戦闘の最中に目覚めたようです。
【チエ】:由衣、ちゃん…。
【GM】:チエは絆チェックをどうぞ、目標値は20です。
【チエ】:ん?由衣ちゃんとの絆なら、愛のAGPとして使ったから、関係は固定されてるけど?(※注.リプレイでは省いていますが、シーンごとに絆/エゴの取得と変換の判定は行なっています)
【GM】:ん(シートを確認する)…確かに。
では、由衣はあなたに…
【由衣】:「チエちゃん…怪我してるよ、大丈夫?」
【GM】:そういって、チエの傷口に自分のハンカチをあて、血を吹きます。
【チエ】:「びっくりしたでしょ?あたし、普通じゃないんだ。どっちかって言えば、化け物寄りかな?」
【由衣】:「ううん、チエちゃんはチエちゃんだから。…今まで、わたしたちのために戦ってくれていたんだよね。」
【チエ】:「ん…まあ、自分のためでもあるしさ。」
【由衣】:「…ありがとう。」
【チエ】:「それはあたしが言わなきゃ…ありがとう。」
エス】:「エル…エム…。」
【牙行】:「エス…」
エス】:(目に涙をためながら)「エス…ひとりぼっちになっちゃった…」
おやっさん(牙行)】:「エスちゃん…と言ったね、わしらのところに来ないか?」
【チエ】:(爆笑)
【正】:いつのまにおやっさんに(笑)
【丈二】:NPCのっとりましたよ、この人(笑)
【牙行】:だが、おやっさんなら、こう言うはずだ!
【GM】:その通りです(一同爆笑)。
ところで、誰かエスにAGPを与えますか?
【チエ】:2点、愛が残ってるから全部あげるよ。
【牙行】:オレも1点だ。
【GM】:はい、了解です。この意味は、エンディングにて。
そしてエスおやっさんの提案にたいして…
エス】:「エス、化け物だよ…」
【牙行】:「オレも同じ、気にするな。オレもおやっさんも、オマエも、みんな仲間、友達。」
エス】:「…うん!」
【GM】:エスは泣き笑いのような表情で、何度も何度も頷きます。
そして、アナタたちはビルを去り…そして。
ではクライマックスを終了、エンディングに入りますね。