ヒトモドキその2

〜シナリオ本編〜
由衣の友達が待っているという水族館に到着したショウコたち。
従業員のおじさんが由衣と顔見知りらしく、ショウコたちも顔パスで通してくれる(まほ子だけは頑なに入場料を払ったが)。
物珍しそうに水族館を見て回る義経に、魚などの解説をしながら歩く由衣、2人がスムーズに会話ができるようフォローする、まほ子。
そんな3人から少し距離を置き、嬉しそうに3人の様子を見守るショウコ。
そんなショウコに従業員のおじさんが話しかけた。


【従業員(NPC)】:由衣ちゃんの友達かい?
そうか、最近ここに来ないと思ったら、学校が楽しいんだね。
【ショウコ】:前は違ったんですか?
【従業員】:ああ、中学の頃はイジメられていたらしくてね。
ここに来た時にはいつも辛そうな顔をしていてね、私も心配していたんだよ。
…これからも、由衣ちゃんとは友達でいてくれないかい?
【ショウコ】:もちろんです!


そう言ってガッツポーズをとった後に、3人に駆けて行くショウコ。
ちょうど由衣の友達も見つかったらしく、由衣からの紹介を受ける。


【由衣】:紹介するね、最近友達になった子で、エスちゃんて言うの。
エスNPC)】:………(人見知りしているのか、由衣の影に隠れている)
【まほ子】:…!
義経】:(魚の臭い…この子から?しかしなぜ…)


水族館を出て、エスと一緒にアイスを食べるショウコたち。


エス】:?(首を傾げている)
【ショウコ】:食べ方わかんない?
…こうだよ。
エス】:…これ、噛んでも血が出ないね。
【一同】:………。


時間も過ぎ、やがて帰宅しなければいけない時間となる。
義経は学園寮へ、
ショウコは由衣と一緒に、
まほ子はエスを送っていくこととなり、それぞれ別れて帰路へと着いた。




●寮にて夕食を摂った義経が娯楽室を訪れると、テレビから流れるニュースが耳に入った。


「次のニュースです。
大友市で発生している連続行方不明事件に関して…」


連続行方不明事件。
それは1週間前から起きており、これまでに10人あまりが行方不明となっているらしい。
被害者に共通点はなく、いなくなった場所の近くには、決まってマンホールがあったという。
また、事件の前後に黒いコートの男女が目撃されているようだ。
ニュースが終わった頃、義経セラフィムの高坂から電話が入る。
内容は連続行方不明事件の調査の依頼であった。




エスを家に送り届けようと、彼女に同行するまほ子。
だが、エスのほうは まほ子から距離を離そうと、早足で歩く。
突然エスが脱兎のごとく路地裏に走り去る。
追いかけたまほ子だが、見つけたのはエスではなく、暗い路地裏と蓋の開いたマンホール。
まほ子は、掛かってきたセラフィムからの依頼の電話を受けながら、エスの後を追いかけるべく、下水道の中へ入って行った。




●共に帰りながらたわいもない話に華を咲かせるショウコと由衣。
2人が人気のない道を通り掛かると、曲がり角から、くぐもった男の呻き声が。
由衣をその場に残し、様子を見に行ったショウコは、何者かにマンホールの中へ引きずり込まれようとしているサラリーマンを目撃する。
咄嗟にサラリーマンを引き上げようとするが、何者かの怪力に負けてしまい、助けることができなかった。
マンホールに飛び込もうとするショウコの耳に、走り去る車のエンジン音。
戻ると、待っているはずの由衣がいなくなっていた。
先ほどの車にさらわれたのだ。
動揺するショウコの携帯にも、セラフィムからの依頼の電話が。
サラリーマンが何者かにマンホールの下に引きずり込まれたこと、由衣がさらわれたことなどを手早く高坂に伝えると、ショウコは迷わず下水道に飛び込んだ。




●黒コートの男女がそれぞれ〔エル〕、〔エム〕という名前であること。
エスと名前の女の子を探していること。
エル・エム・エスの3人の名が郊外に住んでいた悪魔寄生体の研究者の資料に記されていたこと。
それらの情報を得たショウコたちは互いに連絡を取り合いながら、郊外の研究者が住んでいたという屋敷に向かった。