デモンパラサイト〜闇の憐れみ、光の裁き4

〜クライマックス2〜
●自分を追いこんだクラスメートたちを殺そうとする志帆。
それを押し止どめ、説得しようとする義経
志帆は今までにないほど、自身の感情を吐露する。


【志帆】:大切な友達だから、重荷に…なりたくなかったのよ。


そこに、力強い少女の声が夜闇に響き渡る。


【ショウコ】:バカァ―――ッ!!!
【志帆】:え…っ!?
【ショウコ】:あたしがいつ重荷なんて言った!?ふざけんじゃないわよ!絶対、ぜったい助けるに決まってるじゃない!!
【志帆】:…ショウコなら、そう言うと思ったから。だから…一人で死のうとしたのに。
義経】:………。
【志帆】:ショウコが好きだから、ショウコには笑っている顔が一番だから…ワタシのことで悲しませたり、怒らせたくなかった!だから!死のうと思ったの!
【ショウコ】:志帆…
【志帆】:でも、その時にもショウコはワタシに「死ぬな」って…。死ぬことができないなら…殺すしかないじゃない!!
義経】:なるほどな。…安心した。
【ショウコ】:源さん?
義経】:私は浦上が、もうすこし鬱屈した人間だと思っていた。
【志帆】:………?
義経】:明るいショウコ、強いショウコ、皆から好かれるショウコ…
【志帆】:………。
義経】:これほど自分とは正反対な、恵まれた者が側にいれば、怒りや妬みを持ってもおかしくない。…しかし浦上は、ショウコにそんな感情を抱いてはいなかった。
【ショウコ】:………。
義経】:つまり。浦上は、どうしていいか分からず、ただ暴れているだけの…言うなれば‘子供’だ。
【志帆】:………うあああぁっ!!


志帆は激昂し、憎き相手に拳銃を向ける。
銃口を向けられた女生徒は、これ以上ないほど怯え誰彼構わずに助けを乞う。


【ショウコ】:やめて!志帆!
【志帆】:来るな!


駆け寄ろうとしたショウコに銃口を向ける志帆。


【志帆】:近付かないで!…撃つわよっ!?
【ショウコ】:………。(止まることなく志帆に歩み寄る)
【志帆】:ほ…ほんとに撃つからね!


志帆は殺意を込めた眼でトリガーを引こうとする。
それでも歩みを止めないショウコ。
やがて2人の距離は、手を伸ばせば届くところまで縮まり。
ショウコの手が、そっと志帆の手を拳銃ごと包みこむ。


【志帆】:うう…ああああっ………!


結局、一度もトリガーが引かれることはなかった。
志帆は泣き崩れ、ショウコが励ますように彼女の肩をポンポンと叩く。
義経は表情を変えず、しかし、柔らかくほほ笑み。
たった今、到着した優と流也も目の前の光景から結果を悟り、顔を見合わせて苦笑した。
その後、志帆の悪魔寄生体は〈魔種吸引〉され、悪魔事件としての問題は解決した。


義経】:で?どうする?この者たちに、自分のやられたことを返すか?それぐらいなら、この者たちもよろこんで受けると思うぞ、だろう?
【女生徒】:ひぃ!?
【志帆】:(首を振って)いえ、ワタシは人間として戦うわ。
義経】:それは、お前がしようとした戦いよりも、もっと過酷な戦いだぞ?
【志帆】:大丈夫よ、ワタシには…
【ショウコ】:あたしがいるから!
【志帆】:それに…こんなに思われちゃ、応えないといけないでしょ?
義経】:(フ、と笑って)…そうだな。




〜エンディング〜
●その後。
志帆は自らの被害をすべて告白し、イジメを行った生徒たちへの処罰を訴えた。
彼女は復讐を、自分を追い込んだ者たちに罰を与えることを、諦めたわけではなかった。
方法を変えたのである。
力による断罪ではなく。
法による、人間としての断罪を。
果たして。
イジメを行った生徒たちは退学。
担任も今回の問題の原因を作り、対応もしていなかったことから、非常に厳しい処分となった。
志帆は勝ったのだ。
もちろん、その勝利には親友や心ある人の力があったことはいうまでもない。




〜ワシの感想〜
まずはごめんなさい。
シナリオ予告を発表して、さも完成してるかのように書いてましたが。
実際はNPC設定と、おおまかなイメージだけしか決めてませんでした。
重ね重ね申し訳ない。
もう、久しぶりにPLから指摘をもらいましたよ?
やはりワシは書かないとダメですな。
ただヒトツ不思議だったのが、エンディングのイジメへの決着に関する指摘。
PLからは「もう少し穏便な方が」と言われたが、ワシがPLならあれくらいはハッキリ決着つけてもらわないとイヤです。
感覚の違いですかな、そこは。
ワシは人の道から外れたヤツ、大っ嫌いな