セッション昔話〜ヒトモドキ3

エスのふるまいに疑問を持ったチエは由衣と別れた後、エスを追いかける。
エスはマンホールのフタを開け、中に入ってしまう。
その間に合流した正と丈二と共に下水へと降りるチエたち。
下水を進んだ先で見たのは、何かの研究室のような場所。
そして、そこに置かれていたカプセルのそばで眠るエスだった。
チエがエスを起こしている間に、丈二と正は一冊の日記(というよりは3体の人造生命の成長記録)を見つける。
それは三島博士の残したものだった。
日記によって…

三島博士の目的は、人と共存できる人造生命を生みだすことであること。
資金が底をついた時、企業の甘言にのってしまい、3体の人造生命を生物兵器として造ってしまったこと。
後悔の末、企業に渡す前に3体を逃がしたこと。
3体の人造生命はそれぞれ〔エル〕・〔エム〕・〔エス〕と名付けたこと。

これらの情報を得たチエたちはエスを守るため、正の事務所へ向かう。
正に相談しに来た牙行とも合流し、今後の行動方針を話し合う。


エス】:人間を食べれば、人間になれるの。だからわたしも、こんなに人間に近くなったの。
【チエ】:………。
【丈二】:最近は食べたのか?
エス】:ううん、由衣おねえちゃんと会ってからは、いけないことなのかなって思って…。
【チエ】:…!(何か思い付いた)
【チエ】:エスちゃん、魔物に変身してみて!


魔物に変身しようとするエス
しかし、いくらやっても変身できない。


【チエ】:人間食べたりなんかしなくても、人間になれる!今のエスちゃんがその証拠!!


MMMから3人を守り、説得することを決意したチエたちに電話がかかってくる。
相手はMMMの実行部隊のリーダー。
由衣とおやっさんを人質にとり、エスの引き渡しを要求してきたのだ。
指定場所の廃ビルに向かうチエたちとエス
そこで目にしたものは、MMM隊員の死体の山と、由衣とおやっさんを食らおうとするエル・エムの姿だった。


エス】:だめぇ!人間をいくら食べたって、人間になれないよ!
【エム】:何を言うんだい、エス!三島博士の言葉を忘れちまったのかい?「人間になれ」って、あの言葉をさ!
【エル】:そうだ、こいつらを食えば今度こそ人間になれる!邪魔をするな!
【チエ】:エスちゃんの言う事は本当だよ!


懸命に説得しようとするチエたち。
行き過ぎた譲歩さえもあったのだが…


【牙行】:…ダメだ。
【チエ】:牙行?
【牙行】:アイツら、人間食って、あの姿なった、その実績ある。それに、MMMから追われて、他人、信じられない。
【丈二】:…平行線、ですね。
【正】:…ままならん、ね。


説得が失敗に終わり、不本意ながらも、エルとエムを倒すチエたち。
こうして、事件はいちおうの解決をみせた。




〜エンディング〜
●正と丈二はそれぞれの日常に戻り、牙行はおやっさんと共にエスをひきとった。人間として生きる術を教えるために。
そして……


●事件から10年後。
チエの元に懐かしい人物からの電話が。


【チエ】:もしもし、スナック〇×△(記憶にないため、不明)ですが?(一同爆笑)
【由衣】:チ、チエちゃん!?(一同超爆笑)


久しぶりに再会した由衣と一緒に駅前を歩くチエ。
その時、前からアイスクリームを食べながら歩いてくる少女に、誰かの面影を見る。
少女はチエたちとすれ違った時に小さな声で呟く。


【少女】:ありがとう、おねえちゃん。


チエと由衣は確信した。
その少女が成長したエスであることを。
東京は池袋、ある真夏の日のことだった。


(ヒトモドキ、完)




〜感想に代えてのオマケ〜
【GM】:…PL1さん。
【PL1】:はい?
【GM】:なんでスケバンが、10年経ったらスナックのママなんですか!?(一同爆笑)
【PL1】:GMがいきなり「10年後」、なんて言うからじゃないですか!(一同大爆笑)
【GM】:ワシのせいちゃうわ――――っ!!!(一同超爆笑)




(ほんとに終わり)