レレレ『free hole』第8幕


 今度もパラシュートは開いた。
 だが、開いた時に紐が首に絡まった。
 風を受けたパラシュートに引かれ、ギリギリと首が締まっていく。
 外そうともがくが、紐は万力で固定されたかのように動かない。
 頸動脈や気道が詰まり、だんだん抵抗する力が弱くなっていく……。



【GM】:全員、異変に気付いていいよ。

アリシア】:なんとか絡まった紐をほどこうと近づきます。

【GM】:それは〈アクロバット〉技能の領域かな。

アリシア】:(コロコロ)



 アリシアがシンディアを助けようと、手を伸ばす。
 しかし、あと少しのところで、シンディアを掴むことができなかった。
 2度目の絶命を経験するシンディア。
 だが、結局は墜落してきたセスナによって全員が……。

 4度目の時間逆行。
 死んでは戻り、戻っては死ぬ。
 このループに意味はあるのか?
 そして、終わりはあるのか?
 誰もその謎に迫ってはいなかった。
 ただ、口の端をつり上げるような笑いを除いては。



【GM】:4回目。もう、ガングァンも入ってきたところでいいだろう。

【GM/ロイ】:「よし、そろそろ出発するぜ。さっさと準備して乗りな」

【菊善光(コウ)】:いいかげん、ヤバくないか?

フェイロン】:だな。記憶は残ってるのか?

【GM】:自分が死んだ時の分はね。

アリシア】:そういえば、ガングァンとコウだけ1回も死んでないわ。

【シンディア】:怪しい……どっかが真犯人?

【菊善光(コウ)】:(不思議そうに首を傾げる)

【ガングァン】:(おおげさに肩を竦める)
「どうしたのだ、こちらを睨んだりして。……主人、彼らはいつもこうなのかな?」

【GM/ロイ】:「さあね、女とか若い者は分からねえ」

【シンディア】:(小声で)「アリシア、信じてもらえないと思うけど、あたしはもう2度死んでるの」

アリシア】:(小声で)「おかしなこと言わないでよ、シンディー! し、死んでるなんて、そんな……」

【シンディア】:(小声で)「覚えがあるんでしょ? 今だって震えてるじゃない」