利益のために原作を汚す不埒者ども
ある創作がマイナーからメジャーへ出る時、マイナー時代からのファンから否定的な感想を聞くことがある。
「メジャーになると、手が届かないところに行ってしまう」
「メジャーより今のままで頑張ってほしい」
ワシには、なぜこんな感想が出るのかが分からない。
ワシは自分の好きな作品や人が認められて、メジャーデビューするなら、手放しで喜ぶ。
このあたり、ワシはファンではないのだろうか、などと悩む材料にもなっているのだが。
ただ、彼らの心配事のひとつはワシにも分かる。
メジャー化することで利権が絡み、作品や人を低下させるようなキャンペーンがなされないか、という心配だ。
もはや通説になっている「原作のゲーム化、実写化は駄作」という法則。
一部の例外を除いて、この法則は恐ろしいほどよく当て嵌まる。
もちろんゲームや実写に限った話ではなく、その作品本来のメディア以外で作品が作られる場合全てに、この恐怖の法則は当て嵌まる。
例えば、今回の《ひぐらしのなく頃に》の実写映画化。
これは雑誌の特集記事を見て知ったのだが、それからして駄作臭がプンプンだ。
あまりに臭すぎて、ブンブンと言ったほうがいいかもしれない。
そもそも、《ひぐらし》は映画には向かないと思うのだ。
《ひぐらし》の特徴は、ADVゲームでありながら、出題と解答を別々の、複数本の作品として出したことにある。
この方法は、受け手の口コミによる宣伝効果と購買意欲促進を狙ったもので、その目論みは完璧に当たり、同人ゲームの歴史に残るヒットとなったのだ。
もちろん、それを可能にしたのは秀逸なシナリオ、魅力的なキャラクター、戦慄を覚える事件や出来事あってのこと。
翻って、今回の実写化などは、通説を再現する方向でしか動いていない。
秀逸なシナリオは映画の枠に無理やり押し込まれ、キャラクターたちの魅力は演技のえの字も知らない素人アイドルに蹂躙され、戦慄を覚える事件もどこか白けたものになるだろう。
金儲けしようとするのは構わないが、作品のクオリティーを保つ程度は、造り手として義務を果たしていただきたいところだ。
ましてや原作のイメージまで損なうようなものは、ゴミ以下である。
クオリティーを下げるな!
原作を汚すな!
「なんだ、〇〇って面白いっ話だったけど、こんなもんか」
受け手にそんな感想を抱かせるような作品を作ったヤツは、ファンに詫びて死ぬがよいわ!!!