真の不自由は?〜TRPGの自由〜

 前回では自由の定義は難しいから、先に不自由を定義しようと主張し、不自由な要素を大まかな分類で4つほど挙げた。
 今回のその話の発展型、楽しくない不自由について書いていきたい。


 そもそも何が不自由と感じるかは、その人の感性やスキルに関連する場合がほとんどだ。
 前回挙げた不自由の例も、人によっては醍醐味と感じる場合もある。
 ルールの不自由は、試行錯誤して有効パターンを発見する楽しみがあると言えるし、ハウスルールや、そもそもルールを採用しないことで根本的になくしてしまえる。
 これは世界観やシナリオ構築にも言えることで、拡大解釈やそのセッションでのハウスルールや特別ルールで、不自由ではなくしたり、楽しい不自由に変えてしまえることもある。
 つまりやり方しだいでは、ほとんどの不自由を不自由と感じなくなるか、楽しい不自由に変わる、ということ。


 ただし、こう工夫しても解釈しても不自由と感じるのがひとつ、ある。
 それは共通認識や暗黙の了解を理解し合えないときだ。
 こればかりは、拡大解釈とかハウスルールも効果がない。
 というか、それらの工夫自体が、そのセッションの面子によって認められないと使えない。
 つまりTRPGにおいての、真の不自由、最も楽しくない不自由は『その卓の常識を把握していない(できない)』ことなのだ。
 これはTRPGというゲームそのものができないことを意味する。
 なぜなら、その卓の『これをやればみんなが楽しめる』が分からないと、ハウスルールも拡大解釈も使えない。
 GMのゴールデンルールも発動できないし、第一、想定していないキャラの行動にたいしてのジャッジの基準もまた不明となる。


 とにかく、そのセッションの面子全員の共通認識を作り出すのが最優先だ。
 こうなると、あとはコミュニケーション能力の問題だったりするが、それにも個人差があるので、なるたけ能力がなくてもできる方法をとる必要がある。
 そのために有効な方法をいくつか挙げよう。




〜対策1.とにかく質問する〜
 けっきょくコミュニケーションじゃねえか、と言うなかれ。
 FEARシステムの登場をきっかけとした、レギュレーションの明文化やハンドアウト・今回予告など、参加者が知る権利のある情報が増えたのだから。
 つまり、間接的に「そこは質問してもいいよ、ツッコンでもいいよ」とシステムが言っている。
 これを活用しない手はない。
 質問をすることで、卓の全員に自分がどういう疑問を持ち、何にこだわりたいのかを伝えることができる。
 相手がその質問にどう答えるかも、また相手の受けとり方やこだわりを知るきっかけとなる。
 はっきりいって、この効果は思った以上にデカい。


〜対策2.会話のガードを下げる〜
 これまたコミュニケーションだが、許していただきたい。
 とりあえず、そのセッションに関係のある話をドンドンきりだしていこうというものだ。
 適当な話題としてはどんなキャラを作りたいのか、どんな役割を希望しているかを自己申告してみる。
 希望がない場合は、「みなさん、どういうキャラや役割をしたいですか?」と質問してみる。
 これなら相手が答える形が取れるので、話すハードルは下がってくる。
 いきなりシステムチックな話から入るのを嫌う人もいるが、共通認識や暗黙の了解を探るためのものだから、いた仕方ないところだ。
 なにせ、共通の話題は今回のセッションしかないことであるし。


 以上で、楽しくない不自由は『共通認識や暗黙の了解が分からない』ことであり、その解決には対話が必要であることはお分かりいただけたと思う。
 それを念頭に置いた上で、どこを自由にしようか、どこを制限しようか、を決めるのが適当だろう。
 なるべく実践的な方法や理屈を書いたつもりだが、はたしてどこまで役に立つやら不安だ……(爆)
 これを読んだあなたの、何がしかの役にたてたなら、幸い、といったところで御勘弁願いたい(笑)
















 したらな(・ω・)ノ