それはヤンデレではない フレイ・アルスター編


 記念すべき第1回は、ヤンデレ大全に名前が載ったのが間違いとしか言い様がない御仁、フレイ・アルスター嬢です。
 嬢はどこからどう見ても、ヤンデレではありませんでした。
 きっとスペースが足りなかったから、かなり拡大解釈を重ねた事故なのでしょう。
 それでは、嬢がいかにヤンデレにふさわしくないか、検証しましょう。




差別意識はもともと】
 嬢の差別意識はもともとあり、父の死によってエスカレートしたにすぎない。
 よって、病みというには浅く、説得力に欠ける。


【策略として体を使うのは、悪女のやること】
 次にキラを籠絡にかかったのは、利害に基づいた純粋な策略である。
 勘違いされやすいが、意識的に体を与えるのは悪女のすることであり、ヤンデレのすることではない。
 ヤンデレが体を用いるのは、もっと本能的である。
 「お腹が空いたから食事をする」ようなものだ。
 理屈ではなく、「〇〇だから××する」といった、超理論である。
 筋道立てるとか、理論を展開するとか、そんな次元ではない。


【本当にデレていたのだろうか?】
 ここが最大の疑問点だが、嬢はキラにデレていたのだろうか?
 ワシは否だと思う。
 たんなる依存感情を好意と吐き違えただけだ。
 ヤンデレに止どまらず、全てのデレには『相手を想う』という愛の要素があるのだが、嬢の感情にはそれがない。
 あくまでも自分だけである。
 それはただのエゴであり、どんなに歪んでいようと必ず存在する『愛』は含まれていない。