オオカミ砦と太陽のメダル〜モンスターメーカーRPGホリィアックスその2

●それぞれの目的を胸に、クルアフ山地のオオカミ砦へたどり着いたラムトたち。

岩影から、砦の入口を見張るオーク2匹の様子を見る。


「左方面、異常な―し!」
「右方面、異常な―し!」


そのあまりにすっとんきょうな声に。
マルス吹き出した。
当然、オークに見つかってしまい、4人は戦う構えを見せる。
だが、オークは強かった。
ゾロ目で発生するハプニングもパーティーに不利な効果が多く、全滅寸前のところで逃げだした。
オムライスが身を隠すのに最適な場所を発見し、追手をまくことに成功する。
火も焚けず、寒さに凍えながら、夜を明かす4人。


【オムライス】:(カタカタと歯を鳴らしながら)ひ、火も焚けないんじゃ、食事が…。
ミルフィーユ】:あ、カンヅメならありますよ…。


カリカリ)


【オムライス】:…しばれる…なぁ…。




●翌日。
砦へと戻り、再び偵察から始める4人。
その際、4人は食堂の様子を垣間見る。
朝食時らしく、食堂には大勢のオークと湯気の立ち上ぼる暖かい食事が。
テーブルに並んだのは、茹でて塩をまぶしたジャガイモと粗末なスープ。
はっきりいって上等な食事ではないが、オークたちはハフハフと旨そうに平らげている。


その光景を見ていた1人の魔術師。
温厚で知られる彼が、この時ばかりはブチキレた。


【オムライス】:(血の涙を流しながら)ゆ、許さん…!わたしたちが寒空の下、冷たいカンヅメをかじっていたというのに…っ!
コノウラミ、ハラサデカ…!!


がぜん怒りとモチベーションが高まった4人は、物音で見張りのオークの気をそらし、ようやく砦の中へ。
中庭で地面すれすれにある空気穴から、助けを呼ぶ声を聞き、地下牢へと向かう。
そこにはエルフの使者、〔ロリエーン〕が捕らわれていた。
エルフ王の命を受け、この辺りに漂う邪気の正体を探るため、偵察にきたところを捕まったらしい。
ここで、お遊びの好感度判定を即興でやったところ、マルスがハプニングでロリエーンに一目ぼれされる。


【ロリエーン】:ねえ、邪気がどこから出ているのか、掴めない?(マルスしか見ずに聞いている)


魔力感知を試みる2人の魔術師。
2人とも成功し、邪気が砦の最上階から出ていることを突き止める。
しかし、同時に黒魔道士にもラムトたちの存在が露見してしまった。
砦に響くラッパの音。
それを聞き付け、ラムトたちに迫り来るオークたち。
ロリエーンを含んだ5人は、あわてて上へ向かう階段を見つけ、駈け登る。
廊下や階段を埋め尽くす大勢のオーク兵の、鎧がガチャガチャ鳴る音がすぐ後ろで聞こえる。
もはや5人との距離は、2mもない。


マルス】:このままじゃ追いつかれるぞ!
【ラムト】:…こうなったら!
“トゥワイン”!


ラムトの魔法により、砦に生えていた蔦が先頭のオークを絡めとり、後続も塞き止める。
今のうちにと、突き当たりのドアに飛び込む5人。
そこは……。




(続く)