ルパンD&D・ザ・3rdその3

侵入計画を立てたものの、女神像などに関する情報不足を感じたルパンたちは、再び街へ出向く。
着いた先は、以前五衛門が世話になっていた宿屋である。
部屋をとり、宿の女将にさっそくカラバ公爵について聞くルパンたち。
五衛門の友人ということもあり、快く出迎えてくれた女将だったが、カラバ公爵について聞かれると歯切れの悪い答え方だった。
その時ルパンは女将のそばにいた娘〔マーレン〕の指に、依頼人であるカーレンがつけているのと同じ指輪をはめていることに気付く。
改めて女将を見れば、どこか庶民にはない気品も感じられる。
なにか事情がある。
そう考えたルパンたちは、まず女将の情報を調べ始める。
夜の宿屋(1階は酒場)にて、客に酒をおごりつつ、女将のことを聞き回るルパン。
情報収集をルパンにまかせ、今後の計画を練る次元と五衛門。


∴この宿屋が建てられたのは、ずいぶん前(ここ数年ではない)
∴その時の女将さんにはカーレンとマーレンという2人の娘がいた。
∴女将さんは1人身であり、裕福な家でもなかった。
∴カーレンとマーレンの父親は身分の高い人ではないかという噂だ。


などのことがわかる。
途中で「なんでそんな事を聞くんだ?」と警戒されるが


【ルパン】:実はな、俺の友達が女将さんに惚れちまったらしくてな。見掛けによらずシャイなヤツだから、手伝ってやろうと思ってな〜
【客】:その友達ってぇのは?
【ルパン】:あいつさ(と小声で言って、本人に気付かれないように五衛門を指差す)
【客たち】:ほほう〜!(大いに盛り上がる)あの男が女将さんにね〜!
【女将】:あたしがなんだって?(料理を持って来た)
【ルパンと客たち】:(作り笑いを浮かべつつ)いやいや。コッチの話、コッチの話。
【女将】:(厨房に戻って)まったく男ってのはいくつになっても子供だねぇ。
【マーレン】:?


などと疑惑をかわす。


【マーレン】:ルパンおじさん、にぎやかな人だね。みんなの、あんな楽しそうなの久しぶり。
【五衛門】:(無愛想に)…それだけがヤツのとりえだ。
【マーレン】:はい、これ(と、つきだしをテーブルに置く)。お母さんがお客さんを連れてきてくれたお礼だって。
【五衛門】:(無愛想ながらも照れた感じで)かたじけない。
【マーレン】:わたしもお母さんの楽しそうな顔、久しぶりなの。ありがとう、五衛門おじさん。
【五衛門】:お…おじさんっ!?(絶句)


マーレンが厨房へ戻った後、ふらついた足取りで「酔いを覚ましてくる」と外に出る五衛門。
酒場も盛り上がる一方だったその時、8人の兵士を引き連れた小男が我がもの顔で店に入ってきた。
小男は上質な鎧を纏っていたが、似合っていないことおびただしかった。
女将に向かって、「マーレンを渡せ、公爵様の命令だ」とせまる小男。
それに対し、頑強に抵抗する女将。
小男たちは力づくの手段に及ぼうとするが、瓶の割れたような、ガシャーンという大きな音が鳴ったことで、気勢を殺がれてしまう。
音がした方へ視線を集中させる小男と兵士たち。


【次元】:静かにしろ、酒がまずくなる。
【ルパン】:そうだぜ〜、せっかく盛り上がってたのに、これじゃ台無しってもんだ〜。
【小男】:ぬう〜!このワシに、コスイネンに逆らうのか〜!!(怒)


叫ぶコスイネンを投げ飛ばし、さらには踏み台にして、店の外まで着地。挑発するルパン。
兵士たちが追いかけようとするが、そこへ帰ってきた五衛門が向かえ打ち、兵士たちを次々に気絶させる。


【五衛門】:またつまらぬものを斬ってしまった。
【次元】:どうする?やるってんなら、俺たちが相手になるが?


恐慌をきたし、にげていくコスイネンたち。
興が殺がれたことで、酒場はお開きとなり、客たちは帰っていった。
その後。
ルパンたちは女将とマーレンに改めて事情を聞こうとしていた。
自分たちはカーレンからの依頼でジェミニの女神像を盗まなければならない。
前金も受け取ったし、ここまで深入りした以上、後には引けない、と。




(続く)